注文住宅の頭金相場は?頭金が多い・少ない場合のメリット・デメリット
住宅ローンを組むときに「頭金の相場ってどれぐらいなの?頭金は多い方がよいの?」と悩む人も多いのではないでしょうか?用意する頭金によって今後の生活も変わってきますし、実際どのくらいがよいのかわかりませんよね。そこで今回は、注文住宅の頭金で「頭金が多い、ない場合のメリットとデメリット」や一般的な頭金の相場について解説します。
頭金が多い場合のメリット・デメリット
まずは頭金が多い場合のメリット・デメリットについて紹介していきます。頭金が多いと毎月の返済額を軽減させられるでしょう。初めに頭金で多く払えば、残りの金額が住宅ローンの借入金額となり、それを元に毎月の返済額が決定されるので、毎月の返済負担が軽くなる計算になります。毎月の返済額が減ることから「金利を減少させる」こともできるでしょう。
変動金利を採用していた場合、金利が上昇して返済額が増えるという危険性も少なくなるので、返済期間も比較的安心して過ごすことができます。さらに、借入金額が少なくなるので「住宅ローンの審査に通りやすくなる」こともメリットとして挙げられるでしょう。頭金を多く設定していると、頭金なしに比べて、住宅ローンが通りやすいというメリットもあります。
デメリットとしては「手元に現金がなくなるリスクがある」ことです。住宅ローンの頭金は、一般的に貯蓄したお金で支払うことになります。おそらく、注文住宅を建てるのであれば、結婚して子どもがいる場合もあるでしょう。将来的に養育費や日常の生活費も備えておかなければいけません。
毎月の返済額が減るからといって、頭金を払いすぎて「生活費や養育費が払えない」となってしまわないように注意しておきましょう。また「住宅ローンの控除が減少する」というデメリットもあります。頭金が多いと、住宅ローンの減税による恩恵が小さくなってしまうのです。
頭金なし(フルローン)のメリット・デメリット
頭金なしのメリットとしてまず挙げられることは「初期費用を必要としない」ところでしょう。「頭金あり」で物件を買おうとしている場合だと、魅力的で欲しい物件に出会ったとしても「頭金が揃わずに買えない」ということも考えられます。頭金なしでフルローンの場合だと、欲しい物件に巡り合ったらすぐに購入できるでしょう。欲しいと思ってから短期間で住まいを手に入れられるのはメリットとなります。
デメリットとしては「月々の返済額が増加してしまう」ことです。頭金なしで借入金額が増えると、その分、支払う利息や毎月の返済額が増えるので、結果として総返済額も増加してしまいます。毎月の返済額が高くなれば、家計への負担が大きい状態が続くことになるでしょう。
さらに、変動金利で住宅ローンを組んだ場合、金利が上昇するリスクを常に抱えることになります。借入金額が大きいほど、金利の変動で総返済額も大きく変わるのです。金利が下がればよいのですが、金利が上昇してしまうと経済的な負担も増加してしまうでしょう。
近年では、住宅ローン金利は「超低金利」と呼ばれるほど低い水準となっています。今後、金利が上昇していく可能性は充分にあるので、頭金なしのフルローンで住宅ローンを組むと、初めに想定していた以上に返済額が増えてしまう可能性があるのです。
一般的な頭金の相場は
一般的な相場は購入価格の10~20%ほどを頭金として支払っていることが多いといわれているため、購入価格の10~20%を1つの基準として考えてみるのもよいかもしれません。しかし、一般的な頭金の相場と生活や子どもの教育に必要な資金、住宅の購入額によって、どちらがよいかは各家庭で異なります。
また、頭金だけでなく、ローン事務手数料や保険料、各種保険料、登記関係の費用のような諸経費も忘れてはいけません。諸経費に関しては、住宅ローンを組み込むことができる場合もあるので、金額的に厳しい場合は、金融機関に確認してみましょう。
頭金あり、なしのメリットやデメリットを踏まえて、自分にとってどちらがよいのかをしっかり検討することが重要です。注文住宅の施工を行う業者は住宅ローンについても相談できるところが多いので、まずは業者に相談してみることをおすすめします。
今回は注文住宅の頭金について詳しく解説しました。頭金を多く用意した場合では、毎月の返済額や金利を減らすことができたり、住宅ローンの審査に通りやすくなったりしますが、住宅ローン控除の恩恵が小さくなってしまうデメリットがあります。
一方で、頭金なしの場合だと、初期費用が少なく済むので、欲しい物件が見つかったときに住まいを手に入れることができますが、月々の返済額が増加してしまうというデメリットもあります。一般的な頭金の相場は10~20%といわれていますが、住宅の購入額や購入者のライフスタイルは人それぞれです。頭金あり・なしのメリットとデメリットを踏まえた上で、自分にどちらがよいのかしっかり検討することが重要になります。