庭付き注文住宅を建てる際に知っておきたいポイントと注意点
SNSで紹介されている素敵なデザインの庭に憧れを持つ人も多いですが、庭づくりは家づくりと比べて後回しになりがちなのが現状です。庭のデザインの検討が遅くなると失敗するケースも多いので、家づくりと並行して打ち合わせを進めていくことが大切です。今回は、庭付き注文住宅を建てる際に知っておきたいポイントと注意点について紹介します。
注文住宅で理想の庭を手に入れるために考えるべきポイント
注文住宅で理想の庭を手に入れるためには、考えるべきポイントが複数あります。
施工順序
庭づくりを建物の施工業者に依頼する場合は問題ありませんが、それとは別に庭づくり專門の業者やデザイナーに依頼する場合は、庭の施工完了のタイミングが建物の完成とずれてしまうことがほとんどです。建物は完成していても庭の施工が終わらないため、予定していたタイミングで引っ越しができない、賃貸住宅に住んでいる場合は延びた期間の家賃を負担することになるなどの不都合が生じてしまいます。庭づくり專門の業者やデザイナーを選ぶ場合は、デメリットをよく理解した上で依頼するようにしましょう。
土地選び
土地の購入後に「思ったほど庭のスペースが確保できない」と気付いて、希望の庭が叶えられなくなるケースも多いものです。そのため土地を選ぶ際は、住宅の広さに加えて、どのくらいの広さの庭を希望しているのかを把握しておく必要があります。さらに、建築基準法によって、建物の面積は土地の面積に対して建築できる面積の上限が決められているので、建ぺい率など土地の条件についても理解しておくとよいでしょう。
注文住宅の庭づくりの失敗例
庭づくりをする際はデザインやメンテナンスについて充分に考慮することが必要ですが、配慮が不足していると思わぬ事態が発生してしまいます。
水道管の位置が浅すぎた
庭のデザインがまだ決定していない場合、給排水やガスの配管は施工しやすい位置に設置し、地中に埋めることになります。その場合、後でタイル張りの遊歩道が作りたくなったとき、配管が埋まっている位置が浅すぎて断念せざるを得なくなった、というケースもあるのです。工事がスタートした後では、庭のデザインが限られてしまうことを念頭に置いておきましょう。
このような失敗を防ぐには、庭のデザインを建物の計画と一緒に進めていくことが大切です。庭のデザインが細かく決まっていない場合でも、木を植える場所や花壇にしたい場所、タイルや石を張る範囲を大まかに決め、建物の施工業者に伝えておくのがベストでしょう。希望のデザインをおおまかでよいため、前もって決めておくことが理想の庭を叶えるポイントになります。
植物の手入れが大変
庭に草木を植える場合、種類によってこまめな手入れが必要なものもあります。多年草や1年草、2年草といった種類があり、それぞれ性質が異なるので、育て方や手入れの方法を把握せずに植えてしまうと失敗につながりかねません。また樹木を植える場合でもサクラ、モミジ、イチョウなどの落葉樹は、毎年秋にはすべての葉が落葉する性質があるため、こまめな掃除が必要になります。
また、きれいな庭を維持するためには雑草の手入れも必要です。除草作業を專門業者に依頼することもできますが、雑草は完全に取り除くことが難しいので、頻繁な依頼で費用がかさむことも想定しておきましょう。
思ったより費用が高かった
注文住宅の庭づくりでは、費用面での失敗も多いものです。植栽費以外にも、玄関までのアプローチなどを整備する舗装材、門扉、柵、ガレージの舗装、屋根、タイルのテラスやウッドデッキなどにも費用は発生します。「思ったより費用が高く、アプローチが設置できない」というケースもあるようです。そのような失敗を防ぐ意味でも、庭のデザインを後回しにせず、費用面でも家づくりと庭づくりを並行して計画していくことが大切です。
注文住宅の庭づくりの注意点
庭づくりの失敗例を挙げましたが、このような事態はポイントをおさえることで避けることが可能です。ここからは、注文住宅の庭づくりの注意点について解説していきます。
業者選びは慎重に行う
業者選びは庭づくりの満足度を左右するものなので、慎重に選びましょう。建物の施工業者に依頼する場合は、建物の施工業者が庭づくりの業者とも打ち合わせして監理、監督を行ってくれるため、話し合いや施工もスムーズに進むというメリットがあります。ガーデンデザイナーなどに依頼する場合は、デザイナーが建物を把握していない状態なので、建物の施工業者と建物の状況、工程など細かく打ち合わせをする必要があることを知っておきましょう。住宅や建築に対する知見を持っていて、実務経験があるデザイナーを選ぶと安心です。
庭を確保できる土地を選ぶ
庭で好きな植物を育ててガーデニングを楽しみたい場合は、土地選びも慎重に行う必要があります。最低限の駐車スペースと自転車の駐輪スペース、テラス設置の有無などの希望を事前に決めておくと、住宅に必要な面積と庭に必要な面積が把握できるため、適切な土地を選びやすくなるでしょう。
今回は、庭付き注文住宅を建てる際に知っておきたいポイントと注意点について紹介しました。庭づくりと聞くとつい細かいデザインに意識が行きがちですが、まずは大まかに庭の広さや花壇、タイルの位置などを決めておくことがスムーズな庭づくりにつながります。庭付き注文住宅を検討している方は参考にしてください。