ツーバイフォー工法ってどんな工法?メリット・デリットを解説!
ツーバイフォー工法は多くの住宅メーカーで取り入れられているので、耳にしたことがある方も多いはずです。しかし、具体的にどんな建て方なのかご存知でしょうか。今回の記事では、これから家を建てる方に向けて、ツーバイフォー工法について紹介します。さらに、ツーバイフォー工法で家を建てるメリットやデメリットについても解説しましょう。
よく耳にする「ツーバイフォー工法」とは
住宅メーカーの広告などで、ツーバイフォー工法の名前を耳にしたことがある方も多いはずです。しかし、具体的にはどんな工法なのか知らない方もいると思います。ツーバイフォー工法とは何でしょうか。
2×4インチの角材を使って建てる
ツーバイフォー工法とは、木造建築の工法のひとつです。使用する角材のサイズが2インチ×4インチであることから、ツーバイフォー(2×4)工法とよばれます。木造枠組壁工法とよばれる工法のひとつで、既製サイズの角材に合板を組み合わせるというシンプルな工法です。熟練の技がなくても建てられることから、西部開拓時代のアメリカで広く広まりました。今ではアメリカやカナダの木造住宅のうち、約9割で利用されているともいわれます。日本だけでなく世界各国で広く普及している工法なのです。
在来工法とのちがい
在来工法は、柱や梁(はり)、筋かいなどの軸組で建物を支えています。一方で、ツーバイフォー工法では、床や壁などの面で建物を支えています。角材と合板を接合することで、箱型の空間ができます。床、壁・天井の6面からなる箱構造で住宅を建てることになります。
ツーバイフォー工法を利用するメリット
ツーバイフォー工法で家を建てると何がよいのでしょうか。ここではツーバイフォー工法を利用するメリットを紹介しましょう。
地震に強い
ツーバイフォー工法の住宅は面で構成されているため、地震や風などに強いことが特徴です。もともとツーバイフォー工法はハリケーンが多発するアメリカで普及したため、台風に強いのです。在来工法では、外力が接合部に集中してしまいます。
しかし、ツーバイフォー工法なら、揺れや強風などの外力が1点に集中せず、建物全体で受け止めます。外力をバランスよく分散できるため、変形やねじれを抑えて住宅崩壊することを防げるのです。東日本大震災などの大地震が起きた地域でも、ツーバイフォー工法で建てられた家は大きな被害を受けなかったケースが多くあります。
火事にも強い
木材が火に強いだけでなく、ファイヤーストップ構造によって耐火性も優れています。石膏ボードやグラスウールに、ファイヤーストップ材が使用されているのです。もしも火事が起きたときでも、屋根や壁の内部に火が燃え広がるのを遅らせます。また、在来工法に比べて気密性や断熱性にも優れていることから、省エネでエコな住宅であるといえます。
工期が短い
在来工法は職人による手作業の割合が多いため、工期は長くかかります。しかし、ツーバイフォー工法なら、大量生産された材料を組み立てていきます。分業がしやすいことから、短い工期で完成できます。作業がシステム化されていることから、品質のばらつきも少ないといえます。
ツーバイフォー工法を利用するデメリット
メリットが多い一方で、ツーバイフォー工法には、実はデメリットもあります。ここでは、気になるデメリットについて解説しましょう。
間取りに制限がある
ツーバイフォー工法を利用すると、面で構成することから、間取りの自由度は低くなってしまいます。つまり、壁を抜いてリビングを広くするような間取りは難しいといえます。また、リノベーションするときに、間取りを大幅に変更するような大きな工事が難しいケースもあります。
しかし、将来的に間取り変更の可能性があるならば、新築するときに設計を工夫しておく方法があります。動かせる壁と、それ以外の壁(構造躯体)を分けて設計しておきましょう。ひとつの例として、大空間の箱をつくっておき、中の仕切りを可動式にする方法があります。
建築コストをカットできない
ツーバイフォー工法の場合、構造体で使う部材はJASやJISの適合品を使用するように建築基準法で決められています。部材の変更はできないので、構造体の部分でコストを下げるのは難しいといえます。
メンテナンス時に注意すべきポイントは?
家を建てたら、定期的なメンテナンスは欠かせません。ツーバイフォー工法の家をメンテナンスするときに注意すべきポイントは、一般的な在来工法の家と変わりません。柱の腐食、床の変色、外壁の劣化などを定期的にチェックしておきましょう。もしも劣化が見つかった場合は、早めにリフォームすることが重要です。
まとめ
今回はツーバイフォー工法のメリット・デメリットなどについて解説しました。面で建物を支える工法なので、地震や強風にも強く、長く安心して暮らせるでしょう。工期が短い点や、施工のばらつきが少ないこともメリットです。将来的に間取り変更の可能性があるなら、設計するときに計画しておきましょう。安全に住み続けるためには、定期的なメンテナンスを続けてください。